男性の着物の裏地に描かれた浮世絵(春画)。羽織裏地や長じゅばんに描かれた春画は、
男性にとっては隠れたお洒落でした。
女性の着物は今も昔も美しくきらびやかに仕立てられ、柄や色使いは特別なものがあります。
帯や小物類にしても一目瞭然で美しさが楽しめます。
しかし、それに反して男性の着物は色や折柄などで違いをかもしだしてもなかなか女性の
着物のような楽しみはありませんでした。
そこで登場したのが裏地に描かれた浮世絵・春画でした。
裏全体に大きく描かれた浮世絵・美人画や春画は男性の密かな楽しみでもありました。
今ではなかなかこういった裏地を目にすることはありませんが、昭和の時代にネクタイの
裏地に春画を描くことが外国人の間で流行したそうです。
表からは見えないところに粋なお洒落をして楽しむ日本の文化と、西洋から入って来た
ネクタイのコラボレーション。どちらも裏地をこっそり見て楽しむ男性の心理をうまくとらえています。